hidekatsu-izuno 日々の記録

プログラミング、経済政策など伊津野英克が興味あることについて適当に語ります(旧サイト:A.R.N [日記])

ソフトウェア・テストを再考する

私が SI という業務システム中心の受託開発業界にいることも多分に関係していると思うのだけど、ソフトウェア・テストに関する各種の方法論に対してどうしても懐疑的な考えを持ってしまう。端的に言ってしまうと「それは私(あるいはSI業界)がテストに関し…

「外来種は本当に悪者か?」から何を学ぶか

ずいぶん長いこと積ん読になっていたので「外来種は本当に悪者か?」を棚卸して読んでみたら、これが実に面白かった。先に注意事項を書いておくけれども、この本を読むと最近話題の外来種撃退系番組を心から楽しめなくなるかもしれない。 文庫 外来種は本当…

なぜ統計学には主義が必要なのか

前回「ベイズ統計学に関する議論を整理する」では、できるだけ中立的な視点で書くことに注力し、伊津野なりの結論については特に書かなかった。今回のエントリでは、様々な見解や調べた結果を元に私見を書く。 もちろん、伊津野は専門家ではなく、情報や理解…

ベイズ統計学に関する議論を整理する

最近、「統計学を哲学する」の出版をきっかけとした Twitter 上の議論を追いかけながらベイズ統計学について調べている。 統計学を哲学する作者:大塚 淳発売日: 2020/10/26メディア: 単行本(ソフトカバー) 前々からベイズ統計学については興味があったので…

ベイズ会計とはなにか

ベイズ会計と書くと、また新しい会計管理の手法かと思われるがそうではない。より正しく書くならば、会計制度のベイズ的基礎付け、と言うべきものである。もともと会計制度は商慣行から歴史的な経過を経て発展してきたものであるが、現在では会計学という学…

最後の工数見積の海を漂う(画面・帳票・バッチ割合導出編)

前回のエントリで外れ値を分析したが、「画面、帳票、バッチの比率 1.5 : 1.0 : 0.7 という数値は感覚的なもので根拠がない」という問題については残されたままとなっていた。 hidekatsu-izuno.hatenablog.com 以前のエントリで書いた通り、比率を正しく求め…

最後の工数見積りの海を彷徨う(外れ値分析編)

過去、幾度となくIPAの資料に基づき工数見積りを計算するためのエントリを書いた。 hidekatsu-izuno.hatenablog.com 最後のエントリを書いてからしばらくが経ち「ソフトウェア開発データ白書2018-2019」が出ていたのも知っていたけど、前回の分析データで概…

Python で主成分分析(PCA)する

工数の分析にあたり、画面、帳票、バッチの重み付けをシステマティックに行いたいという積年の課題があり、単純に考えると重回帰分析を行えばという話なのだけど、実際にやってみるとまったく予想外の結果がでる。 df= pd.read_csv('./IPA_2014-2019.csv') m…

PyMC3 を使ったベイズ一般化線形モデル回帰分析メモ

久々にIPAソフトウェア開発データ白書のデータを分析してみようと思い、ベイズ推定を使ってみたのだけど、データの分散が大きすぎるので分位点回帰みたいな方法使わないとだめだということがわかったのでメモだけ。 インストール 環境は Windows 10 の WSL2 …

続・Javaのクラス内が依存しているフィールド、メソッドの一覧を表示する (Java11 対応版)

大昔、「Javaのクラス内が依存しているフィールド、メソッドの一覧を表示する」という記事を書いたのだが、久々に使ってみるとどうも一部のメソッド呼び出しが抜けている。いろいろ調べていたのだが、なるほど invoke dynamic の仕業だった。 なんせ前回の記…

nuxt-history-state という Nuxt.js 用モジュールをリリースした

仕事で Nuxt.js を使っている。戻るボタンの扱いについて聞かれたので調べてみたところ、これが予想外に難しい。 戻るボタン対応は、Struts を代表とするポストバック系のフレームワークでも鬼門だったけれど、SPAの時代になってもあいかわらず鬼門のようだ。…

JEF4J v0.9.0 をリリースした。そして謎の文字の話。

JEF4J を久々に更新した。 以前、「JEF4J をリリースしてみた。あるいは、メインフレームの文字コードの話。」というエントリを書いたが、その時点では JEF の最終仕様が掲載されている「FACOM JEF 文字コード索引辞書 (1987年/第三版)」が手に入らなかった…

AWS 認定 Solution Architect - Professional に合格した

41歳で自動車免許を取ったというエントリを前回書いたけれども、実は並行して AWS の Solution Architect Professional の試験勉強をしていた。免許で長期休暇を取ったこともあり、受験のタイミングに難儀していたのだが、先日ようやく受けることができ、無…

41歳にして自動車免許を取った

孔子曰く、「40歳にして惑わず」とは言うものの、40歳を超えたくらいで、そうそう人間変わらない。うんざりするほど子供っぽい(余談だが、仮面ライダージオウはやたら面白い)し、むしろ、大人にならなきゃ、という抑圧から解放され、より幼くなっているの…

老害の誕生

近年ラジオをよく聞くようになっていたから、ピエール瀧の逮捕には大変驚かされた。ここ数年、ピエール瀧とリリー・フランキーが映画に出過ぎ問題がしばしば取り沙汰されていたが、こんな結末になるとは思いもよらなかった。 個人的には、逮捕されたとはいえ…

2018年に読んだおすすめのビジネス書5選

昨年、40歳を超えてからというもの、残りの人生どう過ごすべきか考えることが多くなった。いっそ、そのことを書くのも新年一発目としてはいいのではないか、と思ったのだが、あまりにも陰々滅々とした内容になるため、昨年読んだビジネス書の紹介をすること…

AWS Lambda が AppEngine になった日

11/30 の発表で、AWS Lambd が ALB のバックエンドとして使えるようになったという発表があった。 話題としては、同時に発表されたLambda の COBOL サポート(なんでや)に完全に隠れてしまったが、これはものすごく画期的なサービスだ。 前回「サーバーレス…

サーバーレス・コンピューティングの終着点

最近、クラウドはもはや前提となり、さらにサーバレスが当たり前に使われるようになってきている。サーバーレスという言葉が出ると、サーバーばないという話ではないよ、という話が出たものだったけれど、もはやそんな枕言葉が不要になるくらいに普及してい…

褒めるべきか叱るべきか、それが問題だ(続)

以前、「褒めるべきか叱るべきか、それが問題だ。」というエントリを書いた。ただ、そのときにはうまく考えをまとめることができず書けなかったことがある。それは、「怒らないためには期待しなければよいのではないか」という点だ。 昨今、「アンガーマネジ…

Python StatsModels メモ

R と比較すると微妙にサポートされていない機能があって困ることが多い StatsModels ですが、Python に寄せていきたいので、できるだけ使ってみてます。 ライブラリのロード import statsmodels.api as sm # R互換の関数方式を使う場合はこっち import stats…

「グラフをつくる前に読む本」が名著だった話

最近、Twitter 経由でおすすめされている本を買うことが多いんだけど、これもその中の一冊。 グラフをつくる前に読む本 一瞬で伝わる表現はどのように生まれたのか 作者: 松本健太郎 出版社/メーカー: 技術評論社 発売日: 2017/09/23 メディア: 単行本(ソフ…

映画「ウィンストン・チャーチル」がよくわからない映画だった件

先日、映画「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」を見てきた。 特殊メイクで話題の本作だが、たしかにそこはすごい。あらかじめわかっていても、とうていゲイリー・オールドマンが演じているようには見えない。ものすごく自然に見える。…

「確率統計-機械学習その前に v2.0」を公開した

以前、社内の勉強会用の資料として作成した「確率統計-機械学習その前に」という資料を今回大幅に改定して公開しました。 改定の一番のポイントは、統計分析の総覧的なガイドとして使えるようにしたことです。正直な話、内容的に私自身も十分に理解出来てい…

アニメ「未来日記」が面白かった話

若い頃は、と書くと年寄りじみてしまうけど、もうすぐ初老だ。悲しいかな、人間特に何もしていないのに歳だけはとっていく。押井守は「若さに価値などない」という。今に至り、それは概ね真理だとは思うけれど、そうとも言い切れない部分もある。ひとつは(…

JEF4J をリリースしてみた。あるいは、メインフレームの文字コードの話。

富士通社のメインフレームと連携する必要のある仕事があった。 仕事では単に使える文字のチェックだけが行えればよかったので、結果さほど知識は必要なかったのだけど、個人的に興味がありプライベートで調べていたら結構詳しくなってしまったので備忘録も兼…

「否定と肯定」と「正義と公正」と「PEZY Computingの社長逮捕」と

歴史学者とホロコースト否定論者の裁判を描いた「否定と肯定」を見てきた(なお、映画の内容に触れるためネタバレ注意)。 映画としては説明不足や淡白な演出もあり名作と言えるような出来にはなっていないのが残念だけれど、内容としては非常に面白い作品だ…

確率統計の勉強用資料を公開してみた

確率統計なんて趣味の範疇ならともかく仕事じゃ絶対に使わないよなぁ、とは思っていたのだけど、ここ最近の機械学習の隆盛で必ずしもそうとも言い切れない状況にある。 機械学習と言えばディープラーニングだけれど、画像、映像系ならともかく、テキストデー…

工数見積りの海を彷徨う・征服

過去、何度かIPAの資料に基づき工数見積りを計算するためのエントリを書いた。今回のエントリは、その暫定解決編という位置づけとなる。 hidekatsu-izuno.hatenablog.com hidekatsu-izuno.hatenablog.com hidekatsu-izuno.hatenablog.com 前回までは、ロバス…

Python での統計処理メモ

たまに時間があると統計を身に着けようと試みているのだけど、データサイエンティストというわけでは当然ないので、すぐにやり方を忘れてしまう。というわけで今日のエントリは完全にメモ書きです。はい。 環境 Python は Anaconda を使ってインストールする…

モチベーションを上げるために本当に必要だったこと

今日紹介するのは、「マネジャーの最も大切な仕事――95%の人が見過ごす「小さな進捗」の力」という本だ。普通、ブログで本を紹介する場合、素晴らしいのでみんな読んでほしいという思いで書かれるものだが、残念ながらこの本は400ページ近くある大著にも関わ…