hidekatsu-izuno 日々の記録

プログラミング、経済政策など伊津野英克が興味あることについて適当に語ります(旧サイト:A.R.N [日記])

2021-01-01から1年間の記事一覧

Kaggle グランドマスターから統計学と機械学習の違いを考える

「Kaggle Grandmasterに学ぶ 機械学習 実践アプローチ」という書籍を読んだ。Kaggle グランドマスターがどういう風に分析をしているんだろうという点に興味を持って読んでみたのだけど、意外に普通のことが書かれていて拍子抜けしてしまった。どうも Kaggle …

「こうして世界は誤解する」に見る受け止めきれない世界の複雑さ

今回紹介するのは「こうして世界は誤解する」という中東特派員の書いた本だ。たまたま Twitter で目にした本だったのだけど読んでよかった。 こうして世界は誤解する――ジャーナリズムの現場で私が考えたこと 作者:ヨリス ライエンダイク 英治出版 Amazon 911…

もうひとつの経営者の形を示す岩田聡という存在

「岩田さん: 岩田聡はこんなことを話していた。」という本を読んだ。 前々からMOTHER2立て直しの逸話など聞いたこともあり興味があったのだけど、岩田聡さん本人が書いた本でないことから手を出さずにいた。しかし、ちょっと後悔。これは革新的な経営者像を…

「確率統計-機械学習その前に-」を更新した(version 2.3)

以前から公開していた「確率統計-機械学習その前に-」を拡充して Speaker Deck で再公開しました。 SlideShare がある時からスライドの再アップロードが完全にできなくなってしまい、間違いの修正すらできなくて困っていましたが、今後はこれで随時更新をか…

Python plotly メモ

matplotlib とか seabone とかを使っていたのだけど、日本語表示の問題などどうにも使い勝手が悪いので、いろいろ探していたら plotly がすごく使いやすかったので今回はそのメモ。JavaScript などマルチプラットフォームで使えるので、今後はこっちに統一し…

野党が勝つための方法

菅前総理の退任が決まって以降、岸田総理の誕生、解散総選挙と怒涛のように政局が進んだ。安倍元総理もそうだったが、政権末期の総理大臣の魂の抜けた感じがその職の大変さを物語っているように感じる。想像するに最終決定が何でもかんでも総理の元に回って…

因果推論とは何なのか

最近、因果推論がはやっている。はやっているのだが、これがさっぱりよくわからない。いろいろな方が資料を公開してくれているので手がかりはたくさんあるものの、手法が中心になっているものが多く、統計学全体からみた位置づけのような理解に必要な情報が…

確率を解釈する

世間的には因果推論の話題ばかりだが、因果以前に確率の理解すら覚束ないので「現代哲学のキーコンセプト 確率」という本を読んでみた。 現代哲学のキーコンセプト 確率 作者:ロウボトム,ダレル・P. 岩波書店 Amazon 以前、議論になったので、頻度確率と主観…

「『アジャイル vs ウォーターフォール』からプロジェクト管理を考える」という記事を公開した

最近調べていたプロジェクト管理に関する論文を読んだ感想を Qiita に公開した。 このブログに書いてもよかったんだけど、広く読んでもらったほうがいいやと思って Qiita に投稿してみた。まぁ、結局あんまり読まれないんだけどorz たしかに今更感ある内容で…

続・アジャイルに根拠はあるのか? 「A Comparison of Software Cost, Duration, and Quality for Waterfall vs. Iterative and Incremental Development: A Systematic Review」を読む

前回に引き続きアジャイルの是非を調べるために論文を読んでいる*1。 今回、紹介するのは 2009 年のウォーターフォールとスパイラル型開発を比較した「A Comparison of Software Cost, Duration, and Quality for Waterfall vs. Iterative and Incremental D…

アジャイルに根拠はあるのか? 「Empirical Studies of Agile Software Development: A Systematic Review」を読む

世間的にずいぶんアジャイルという言葉が市民権を得てきたものの、日本においてはいまだウォータフォール全盛で、例えば多くの企業が参加する IPA 「ソフトウェア開発データ白書」によれば開発プロジェクトのうちウォーターフォールが全体の97.4%を占めてお…

「A Theory of Team Coaching」を読んでみたら

Twitter でリーダブルコードなどの翻訳を行っている角征典さんが「A Theory of Team Coaching」という論文を紹介していたのだが、内容が興味深かったので読んでみた。 > チームの有効性は「戦略が適切か」「スキルを持っているか」「努力してるか」の3つで決…

ソフトウェア・テストを再考する

私が SI という業務システム中心の受託開発業界にいることも多分に関係していると思うのだけど、ソフトウェア・テストに関する各種の方法論に対してどうしても懐疑的な考えを持ってしまう。端的に言ってしまうと「それは私(あるいはSI業界)がテストに関し…