hidekatsu-izuno 日々の記録

プログラミング、経済政策など伊津野英克が興味あることについて適当に語ります(旧サイト:A.R.N [日記])

変わるダイエットの常識

別に好きで趣味にしているわけではないのだが、ダイエットに関する研究本は継続的に買っている気がする。私の家系にはやせ型がいない。齢を重ねると痩せにくくなるのはわかってはいるが、最近は食が細くなっているにも関わらず体重は徐々に増加中だ。

 

今回読んだのは「運動しても痩せないのはなぜか:代謝の最新科学が示す「それでも運動すべき理由」」という本だ。

 

タイトルだけ見ると、ありきたりなダイエット本に見えるが、中身は想像以上に難しい。まず冒頭からタンザニアの原住民ハッザ族のフィールド調査の話で始まる。普通この手の話は他者の研究が引用されることが多いのだが、この本の場合、実体験である。著者は、フィールド調査を通じて自然の中で暮らす人々と都会で暮らす人々のカロリー消費について調べる研究者なのだ。生理学についての詳細な説明も多く、化学系の話題に大変疎い私にとって読むのがつらくなる章も多々あった。

 

一方で細かい議論を除くと、同書が語る内容はそう多くはない。

  • 体重は、カロリー消費量>カロリー摂取量で決まる。
    • 何を食べるかは重要ではない(低炭水化物ダイエットでも低糖質ダイエットでも結果は変わらない)
    • カロリー消費量は体重と体質で決まる
  • 運動で使われるエネルギーは体内で調整されるためカロリー消費にはほとんど影響しない。
  • ただし、運動は健康維持と体重維持には重要。
    • 運動しないことは重大なリスクをもたらす。運動時間は多いほどよいが、1日30分ほどでも良く強度は重要ではない(強度が高いと時短できるが、時間さえかければ散歩で良い)。
    • 減量すると体重が減りカロリー消費量が減るが、カロリー摂取量はそれほど変わらないため、徐々に体重が元に戻る。運動をするとカロリー摂取量と消費量の差が運動により消費されるため、体重を維持できる。

この本では内臓脂肪については述べられていなかったが、最近の研究では次のような結果も出ているようだ。基本的には内臓脂肪減らしたければ運動をした方がよいようだ。

 

しかし結局のところ、ダイエットしたければ食べる量減らして運動しろ、という昔ながらのアドバイスが有効というのが悲しいところ。もっと楽に痩せられる方法はないものか。

 

[追記] 寝ないと痩せないという論文もあるようだ。たしかに疲れて帰ると甘いものを食べたくなるのは世の常ではある。