hidekatsu-izuno 日々の記録

プログラミング、経済政策など伊津野英克が興味あることについて適当に語ります(旧サイト:A.R.N [日記])

知育カードゲーム「カルクレイド」を作った話

Twitterではすでに書いたのだけれど、このたび知育カードゲームを作った。

名前は「カルクレイド(CalcRaid)」、演算子と数字が書かれたカードを並べ、自陣により大きな計算結果になる式を作った方が勝ちという単純なゲームだ。(なお、メルカリShopsで買えるようにはしてみたので、興味のある方は遊んでみて感想を聞かせてください。匿名配送で送るので個人情報が洩れる心配はありません。大人がやっても普通に面白いとは思います)

カルクレイド

簡単にルールを書いておくとこんな感じ。

  1. 真ん中に得点カードを縦に並べる。得点カードの右側が自分の陣地になる。
  2. 自分の山札から5枚数字カードを取って手札にする。
  3. 交互に数字カードを1枚おいて、山札から補充する。
    • 数字カードは得点カードの隣か数字カード列の最後にしか置けない(最大4枚)。
    • 式の計算は通常の算術ルールに従う。ようするに、かけ算が優先
    • 数字カードは自分の陣地においても相手の陣地においてもいい。足し算のカードは自分の陣地に、ひき算のカードは相手の陣地に置くのが普通。かけ算のカードはプラスを膨らませたり、マイナスを×0で打ち消したりできる。
    • 両側の数字カードが4枚ずつになった列が出た場合、計算結果を比較して自分の陣地の計算結果が大きい方が得点カードを取得。
  4. 先に3枚の得点カードを獲得した方の勝ち。

このゲームを作ろうと思ったきっかけは子供が生まれたことだ(正確には子供が生まれるとわかったときだけど)。

子供には苦労せずに楽しく人生暮らしてほしいなと思った。私自身、そこまで苦労したとは思わないのだけど、幼少期から知識を身に着けてればもっといろんな楽しい人生が歩めたんじゃないかと感じることが多い。もしかするとTwitterのやりすぎかもしれないが、世の中すごい人で溢れている。自分の才覚を極めて仕事にしている人は本当に人生が楽しそうだ。

ゲーミフィケーションではないけど、計算みたいな面倒なことはどうせなら楽しく習熟して苦手意識を持たないようにしてほしい。学問の面白さは単純な算術なんかよりも、もっと先にあるわけで、さっさと通過して本当に興味のあることに専念させてあげたい。

このゲームを作る前、世にある知育ゲームをいろいろ見てみたのだけど、algo に代表されるように論理的思考力を向上させるようなものが多い。しかし、いわゆる「論理的思考力」、本当に育つのか個人的には甚だ疑問なところもある。非認知能力の対する批判を考えれば、そんなもので論理的思考力が育つという根拠はほとんどないのではなかろうか。

そこで今作を作るにあたっては、できるだけ「実際の勉強に役に立つ」ように考えて作った。意図としては、算数は必ず通らなければならない関門なのだから、その学習負荷を下げ、もっと重要なことや本当に興味があることに時間を費やせるようにするという点にある。本当に頭のいい人を見ていると、勉強だけでなく趣味やスポーツも充実していることが多い。思うに、他の人よりも勉強にかける時間を短縮できるため、他のことに時間をかけられるのだろう。

何も全面的な知能向上を目指す必要はない。人生で必ず訪れるであろうハードルを下げるだけでも十分なのだ。

もうひとつ、多くの知育ゲームは子供だましというか、ゲームとしては微妙なものも多いように感じた。子供にとっては、どんなゲームも目新しいかもしれないが、一緒に遊ぶ大人にとってはそうではない。子供だけでなく大人も楽しめるものにしたかった。

その点、カルクレイドはガチゲー気味に作られている。相手への攻撃もできるし、運の要素はやや少なめ(カードを引く順序のみ)。その分、子供にはちょっと難しく感じられるかもしれないが、必要な知識は4つの数の四則演算だけなので、親に勝ちたいと思わせられれば乗ってきてくれるのではと思っている。

残念な点は、まだ子供は生まれたばかりで制作者である私がこのゲームを子供と遊べるのは6年後ということだ(笑) その時が訪れるのを楽しみに待ちたい。

mercari-shops.com