hidekatsu-izuno 日々の記録

プログラミング、経済政策など伊津野英克が興味あることについて適当に語ります(旧サイト:A.R.N [日記])

良い経営者の資質?

気が向いた時にだけ書くことにはしているのだけど、あまりにも更新がないのもなんなので、拾ったネタをメモがわりに書いておくことにしてみた。それがこの記事。

タイトルは「内部昇格より外部から来たCEOの方が優れている」とあるのだが、個人的にはこの結論は頂けない。重要なのは、外部/内部ではなく、その理由だろう。仮に、複数の会社の制度を知っていることこそが経営者の資質だというのであれば、このタイトルでもよいのかもしれないが、本文では少し違うことが書かれている。

優れたCEOの特徴として、就任後の最初2年間は、「戦略の見直し」と「コスト削減」を重視して行うようだ。また、優れたCEOは最初の2年間では組織改編、新しいビジネス・商品の開発、経営陣の改造などには、相対的に消極的だ。そもそもの戦略を見直し目指す方向を確かにし、コスト体質を刷新した上で、コストのかかる組織再編や新ビジネス・新商品の開発といった領域に手をつけるという優先順位の見極めが、一つの優れたCEOの条件のように考えられるだろう。

しばしば、政治の世界では、橋本徹のように革命的な根本改革を目指す人が出てきて、たいていの場合、悲劇に終わるものと相場は決まっている。それは経営者においても同じようだ。「事実に基づいた経営―なぜ「当たり前」ができないのか?」においても、リストラが会社の利益率を引き下げることが指摘されているが、この記事によれば組織改編、新しいビジネス・商品の開発、経営陣の入れ替えなどいかにもな根本療法もあまり良い手段ではないことになる。

「戦略の見直し」「コスト削減」と書かれるとわかりにくいが、ここで指摘されているのは「過去の経緯などサンクコスト無視して不採算事業を縮小せよ」という単純なことなのではないかと思う。外部から来たCEOの方が優秀な成果を上げがちなのは、サンクコストを無視できる可能性が高いから、なのかもしれない。