hidekatsu-izuno 日々の記録

プログラミング、経済政策など伊津野英克が興味あることについて適当に語ります(旧サイト:A.R.N [日記])

日本企業がプライベートに介入しすぎる件について

何を今更と思う人もいると思うのだけど、最近、技術系ポッドキャストを聴くようになった。インターネット中心の生活だと、目はどうしてもディスプレイに向いてしまうので、ここ10年くらいテレビを見ることはめっきり減った一方で、耳で情報が得られるポッドキャストやラジオをむしろ好むようになった。

眠れないので、昔の Rebuild.fm を聞いていたら、日本企業でよく行われている休暇時に行き先や緊急連絡先を書くというおかしな風習が話題になっていた。

企業側の理屈としては、業務上のトラブル発生時に連絡を付けるためという実務上の理由だけでなく、災害発生時に安否確認をする、という東日本大震災の教訓を活かした表向きの理由もなくはなく、その必要性は理解できないわけではないのだけれども、個人的にはいつもあまりこころ良く思っていなかったので、いやまったくだ、と思ってしまった。

面倒事を起こすつもりもないし、正直な話、あえて秘密にするほどの内容ではないので、別に文句など言うこともなく素直に指示に従いはするのだが、日本企業は「プライベートに介入する」ということに関してデリカシーが無さすぎるのではなかろうか。

日本においては社会的要請はプライベートな時間よりも優先されるべきという意識が根底にあるから「必要なので個人情報を書いてください」などという理屈が通ってしまうのだろう。個人主義な欧米から見ると異常なものに映るのも当然だし、おそらく若い世代ほど、奇異なものに映るだろう。

日本が急成長している時期であれば「それが日本型の成功組織の作り方だ」と言えたかもしれないが、もはや先進国から離脱しつつある日本ではそのような言い訳もできない。日本の時間当たり労働生産性は他の先進国よりはるかに低い以上、そのような考え方は単に労働環境を悪化させる結果に繋がっているだけだと認識すべきなのではなかろうか。