hidekatsu-izuno 日々の記録

プログラミング、経済政策など伊津野英克が興味あることについて適当に語ります(旧サイト:A.R.N [日記])

女性の給与が低くなる理由

以前、「女性だけで企業を作るべき理由」を書いたが、これは客観的な指標を元にしているもののその理由については私見に基づいている。

私の考える理由は、出産の可能性が出世の機会を制限しているのではないか、という点にあったのだが、最近読んだ2冊の本では調査結果に基づく異なる理由が掲載されていので紹介したい。

男女間に平均給与の差があることは十分に裏付けられている。この差が生じるひとつの原因に、採用時の給与交渉に対する男女の向き合い方の違いがある。たとえば、カーネギーメロン大学のリンダ・ボブコックと作家のサラ・ラシェヴァーは、カーネギーメロン大学の経営学修士MBA)取得者の初任給は男性のほうが女性よりも高く、それは主として男性のほうが高い給与を要求する傾向にあるからだと報告した。男性の57%は給与について交渉したが、女性で交渉したのは7%にすぎなかった。

ワーク・ルールズ!―君の生き方とリーダーシップを変える

社会心理学者ブレンダ・メジャーの調査では、女性は同じ給与水準の男性より長時間勤勉に働いていることが判明した。また要求する給与の額が男性より少なく、初任給や到達可能な最高額についても期待値が低い。この調査から、女性は自分を過小評価する節があり、それが給与の交渉でも不利に作用していることがうかがえる。社長の報酬ですら男性と女性で差があるのは、おそらくこのためだろう。

「権力」を握る人の法則 (日経ビジネス人文庫) より抜粋

このような交渉力の弱さは、結果として昇進にも影響するだろう。 

Google はこのような不公平にも対処するシステムを開発したようだが、通常の企業ではなかなか解決の難しい問題のように思える。