hidekatsu-izuno 日々の記録

プログラミング、経済政策など伊津野英克が興味あることについて適当に語ります(旧サイト:A.R.N [日記])

Seasar Conference 2015 行ってきた

基本、出不精(体型も)なので、こういう技術カンファレンスにはめったに参加しないのですが、最後の Seasar Conference らしいとの噂を聞きつけ、行ってきました。

あまり職務経歴上はSeasar2との関係はない(実案件でも最終的には使っていない)ということもあり、なんで参加したのかよくわからないかもしれませんが、趣味でJavaプログラムを書く時はいつもSeasar2を使っていましたし、拙作のJSONICが広まったのも元々はSeasar2界隈で取り上げてもらったことがきっかけでした。

なんと言っても、ここ5年ほど作り使い続けているExcelからの半自動生成機能付き社内独自開発のフレームワークは、実装こそ完全に異なるものの、Hot Deploy、CubbyっぽいActionクラスなどSeasar界隈の影響を受けている部分が多数あります。*1

本日 Spring Boot のセッションを聞き思いましたが、今現在にいたっても Spring FrameworkSeasar2 に追いつけていないという事実に愕然とします。特に Hot Deploy。Spring Boot は Hot Deployできるらしいという事前情報を得ていたので、本日のセッションはかなり期待していたのですが、デモを見る限りいろいろ問題点がありそうです*2SQLファイルについても標準では用意されていないということを知りがっかりしました。

歴史的な遺物となったので Seasar2 は開発停止です、というのであれば、それほど残念に思うことはないでしょう。例えば、JSONIC ならば、今となっては Jackson という良い代替が存在しますし、Java9 で JSON API が標準に組み込まれれば、次第と使われなくなっていくはずです。

DI、WebAppフレームワーク、テンプレート、SQLファイル、個々にみればたしかに代替ライブラリは存在しますが、Hot Deploy対応まで含め十分に検証された環境を構築するのはなかなかに難儀です。ありていに言ってしまうと、あのとき Slim3 ではなく Seasar3 が出ていれば、少なくとも日本の開発においては Seasar はずっと使われていたのではないでしょうか。

残念なことに海外ではまったく普及しませんでしたが、正直なところ、技術的な見劣りはまったくなく、アメリカにエヴァンジェリストがいれば、Ruby 同様、世界的なOSSプロダクトになっていた可能性もあったのではと思っていました。*3

技術的に優れ、多くの人に実際に評価を受けたものが、歴史の闇に埋もれていくのは大変残念ですが、技術的な評価だけで普及が決まるわけではない、ということは私含め技術者の現実として理解しておくべきことなのかもしれません。

*1:画面項目定義書を書くだけで業務画面を自動生成したり、エンティティ定義書とデータベースをコマンド一発で同期できたりと、便利な機能がいろいろついた力作フレームワークなんですが、仕事で作ったため公開できないのが残念なところ。発注いただければデモできますw

*2:私自身も実装したので、HotDeploy 導入の難しさは理解しています

*3:というより、Spring Framework よくあれで普及したな感が強いわけですが……